2022-07-11
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マイクロラーニングとは? 概要と活用のポイントをご紹介
- 人材育成
「マイクロラーニング」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
近年、新たな学習方法として注目を浴びていますが、具体的にはどのようなものなのか、どんなメリットがあるのかわからないという方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、「マイクロラーニング」についての概要と、おすすめの活用方法についてご紹介します。
マイクロラーニングとは
マイクロラーニングとは、1~5分程度に細分化された短時間のコンテンツを用いた新たな学習手法のことをいいます。
明確な定義はありませんが、従来のeラーニングは視聴時間が数十分~1時間程度に及ぶものが多かったのに対し、長くても10分程度で学習が完了するので、その視聴時間の短さが特長といえるでしょう。
また、スマートフォン等のデバイスの普及とその視聴時間の短さを活かし、時間や場所に縛られない学習が可能となったことも大きな特長です。
例えば、通勤時間にスマートフォンで学習する等、スキマ時間を活かして学習することができます。
それでは、そもそもなぜ「マイクロラーニング」が注目されるようになったのか、その理由について見ていきましょう。
マイクロラーニングが注目される理由
ミレニアル世代との相性
第一の理由としては、ミレニアル世代との相性が良いことが挙げられます。
ミレニアル世代とは、1980年代~1990年代半ば頃に生まれた世代のことをいい、2000年代に成人もしくは社会人になる世代のことを指します。
この世代は、インターネット環境の整備が進んだ時代に育ち、スマートフォン等のモバイル端末にも慣れ親しんでいる「デジタルネイティブ世代」です。
そうした背景から、モバイル端末を活用して気軽に学習ができるマイクロラーニングを好む傾向があると言われています。
ミレニアル世代は、2025年には全世界の労働人口のうち75%を占めるようになると言われているため、相性の良いマイクロラーニングは今後より需要が高まると考えられます。
社会人の学習傾向にマッチ
社会人になっても学習し続けることが重要だとよく言われますが、現代の社会人はどれだけの時間を学習に費やしていると思われますか?
総務省の「平成28年社会生活基本調査」によると、有業者が学習・自己啓発・訓練にかける時間は1日あたり平均6分でした。
マイクロラーニングは、1コンテンツあたりの視聴時間がおよそ5分なので、多忙により1日あたりの学習時間が6分しか取れない場合でも無理なく学習が可能です。
また、なかなか学習意欲が湧かないという場合においても、所要時間の短さとモバイル端末で学習できる手軽さから心理的なハードルが下がる効果も期待できます。
このように、現代の社会人の学習傾向から考えても、マイクロラーニングは学習者のニーズに応えられる学習方法と言えます。
導入による3つのメリット
1. 受講のしやすさによる学習機会の創出
先述の通り、現代社会人は平均学習時間が短く、なかなか学習時間を確保できていないという現状があります。
マイクロラーニングは視聴時間が短いだけでなく、学習内容が細分化されているため、自分の都合にあわせて学びたいことをピンポイントで学ぶことができます。
個々人の学習ニーズを少ない負担で満たすことができるので、「学習意欲の向上」と「学習時間の確保」が期待できます。
2. 学習効率の向上
マイクロラーニングのように学習内容が細分化されていると、一度に入ってくる情報量も絞られるので記憶に残りやすいというメリットがあります。
長時間勉強したにも関わらず、記憶に残っている内容が限られるのであれば、短い時間で集中して学ぶ方が効率的と言えます。
また、細分化されているコンテンツだからこそ、反復学習もしやすいという点もポイントです。
一度学んだだけでは理解しきれなかった部分や、忘れてしまった部分も繰り返し学習することで定着させることができますが、視聴時間が長いと再び視聴する気が起きにくいかもしれません。
その点マイクロラーニングなら数分で済むので、スムーズに取り組むことができます。
3. 教材の作成が容易
マイクロラーニングは、コンテンツ自体がコンパクトで内容も少ないため、作成時の負担も軽減できます。
修正が必要になった場合も同様に作業負担の軽減が期待できるので、社内業務のマニュアルや法律の改正が頻繁にあるようなコンテンツの作成にも向いていると言えます。
マイクロラーニングのデメリット
活用のメリットが多くある一方で、学習の内容によってはマイクロラーニングが向かない場合もあります。
ここでは、マイクロラーニングの抱えるデメリットについても考えてみます。
複雑で難しい内容には不向き
マイクロラーニングは、内容をコンパクトにしているコンテンツです。
内容が難しいものや説明が複雑になるテーマだと、事例等を取り上げて詳しく説明する必要があるため、ある程度長めの時間を要します。
例えば、長時間の学習が必要とされる資格試験対策の場合、内容を細分化して学ぶよりも、分野や単元ごとにまとめて学習した方が理解が深まります。
このように、短い時間に収めることで内容が細切れになってしまうような場合は、コンパクトにまとめることが効果的であるとは言えません。
こうした内容に関しては、マイクロラーニングでの学習は不向きと言えるでしょう。
アクティブラーニングには不向き
グループワークやディスカッションを通して学びを深めるアクティブラーニングは、コミュニケーションを前提とした学習方法です。
マイクロラーニングは講義形式の学習方法で、双方向のコミュニケーションができないため、こうした内容についてもマイクロラーニングのコンテンツで扱うことができません。
上記の2点のようなケースは、マイクロラーニングだけで完結させるのは難しいですが、eラーニングや集合研修等の他の手法と組み合わせ、事前課題や復習、要点確認用としてマイクロラーニングを活用するのはおすすめです。
マイクロラーニングの活用方法
マイクロラーニングのメリットとデメリットを踏まえ、その活用方法についてご紹介したいと思います。
新入社員研修への活用
新入社員向けの研修では、社会人として身に着けるべきマナーやビジネスに関する基本的な知識など、多くのことを学ぶ必要があります。
こうした知識の習得にはマイクロラーニングは向いており、さらに名刺交換や応接応対、電話応対などは実際のシーンをイメージしやすいように、映像で学ぶのが適していると言えます。
テーマごとにコンテンツ化することにより、1つ1つ着実に成長している実感を持って学習を進められるので、モチベーション維持にも効果的です。
インプットはマイクロラーニングを活用し、アウトプットは集合研修等でロールプレイをすることで、さらなる定着化を図ることができます。
管理職研修への活用
管理職は、マネジメントスキルをはじめ、部下の指導や管理に関する様々な知識やスキルの習得が求められます。
学ぶことは多岐にわたる一方で、管理職は業務が多忙であることも多く、管理職研修として一堂に会する機会はそう多く設けられません。
そうした状況において、基本的な知識やスキルの習得にマイクロラーニングの活用がおすすめです。
各々が自身の都合に合わせて学習を進め、理解を深めることができれば、テーマ別に何度も研修を実施する必要がなくなるのでコスト削減にも繋がります。
ベースをマイクロラーニングで作ることで、集合研修実施時にディスカッションやワークに割く時間を増やせるのではないでしょうか。
業務知識、ノウハウの共有
業種特有の知識や独自のノウハウ等を共有するのにも、マイクロラーニングを活用できます。
一般的に、業務知識やノウハウはマニュアルやOJTで共有するケースが多いと思いますが、マイクロラーニングの活用により、マニュアル作成やOJTにかかる時間を削減できるかもしれません。
文書によるマニュアルは、実際の業務をイメージしにくい面もあり、細かい部分はOJTで伝えることになりがちです。
そこで、マイクロラーニングを活用するのはいかがでしょうか。
その業務に慣れた従業員の業務手順を撮影し、ポイントやノウハウを数分のコンテンツに落とし込むことで、文書のマニュアルよりも伝えられる情報量が増えます。
わからなくなったらもう一度動画を見て確認することで復習も可能なので、何度も教える(教わる)必要もなくなります。
ポイントを絞った指導が可能になるので、より効率的にOJTも実施できるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、「マイクロラーニング」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
マイクロラーニングを取り入れることにより、研修実施の負担を軽減しつつ、学習効果の向上を図ることができます。
オンラインによる研修が主流になってきた状況下、今後より活用が広がるのではないかと思います。
日税オープンカレッジでご提供している「スタンダードプログラム」は、ほとんどが1動画あたり3~5分程度のマイクロラーニングのコンテンツです。
基本的な知識は「スタンダードプログラム」のマイクロラーニングで、
発展的、専門的な内容は「オプションプログラム」の少し長めのeラーニング講座で、
目的に応じて柔軟に学習いただけます。
受講講座の組み合わせ等もご提案させていただきますので、ぜひご検討ください。
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