「人材育成って何?」「人材育成ってどんなことをすればいいの?」
人事担当者や社内の研修担当になった方、自社従業員への社内研修を検討されている経営者の方でも、このような疑問をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、人材育成に取り組まれる上でヒントとなるような情報をまとめました。ぜひご一読ください。
目次
人材育成とは
人材育成の目的
人材育成とは、社員一人ひとりの能力を底上げし、企業の業績向上を図ることです。
「人材育成」と言っても、その言葉通り「人を育てる」ことだけを指すのではありません。
個々人がビジネスパーソンとして成長することは非常に重要ですが、「人材育成」の目的は、企業の継続・成長でなければならないはずです。
企業の継続・業績向上に貢献できる人材を育てていくこと、それが人材育成で目指すゴールではないでしょうか。
なぜ今、人材育成が必要なのか?
・労働量の確保と人材の定着
現在、あらゆる業界で人手不足が進行しています。
令和2年度版厚生労働白書によると、2017年に6720万人だった労働力人口が、2040年には5460万人になるとの推計があり、今後ますます、人口減少によって労働力の確保が難しくなっていくことが想定されます。 今後、企業が継続・成長していくためには、人材の確保とともに「人材の定着化・育成」への取り組みが重要になるのです。
「人材育成」に取り組み、社員一人ひとりの能力向上を促すことは、生産性の向上に繋がります。
労働力の確保が難しい環境下で企業の業績を上げていくためには、社員1人当たりの生産性を向上させることが必須となるでしょう。 仮に、従業員数が30人の企業で5%生産性を向上することができれば、1.5人分をそのままの人数で補うことが可能です。
その一方で、「人材の定着化」に向けた取り組みとして離職の防止策を講じることも重要です。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構の2019年調査「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ(第2回若年者の能力開発と職場への定着に関する調査)」では、新卒3年以内に離職した人の離職理由として、 以下のようなものがありました。
離職理由は、職場環境やキャリア上の理由、労働条件や家庭の事情、健康上の理由など実に様々です。
家庭の事情や健康上の理由等に関しては防ぎきれない部分もありますが、上記グラフの赤枠で示した理由に対しては社内に研修制度があればフォローアップができ、離職を防げたかもしれません。 社員の能力向上やキャリアアップを支援するために研修制度を整えることは、離職防止策としては有効です。
人材育成の壁
人材育成に取り組む上でのよくある課題
・まずは課題を特定しよう
いざ人材育成に取り組もうと思っても、なかなか上手くいかずにお悩みの方も多くいらっしゃるかと思います。
企業が人材育成について抱える課題として、以下のようなものが挙げられています。
- 指導する人材が不足している
- 人材育成を行う時間がない
- 鍛えがいのある人材が集まらない
- 育成を行うための金銭的余裕がない
- 適切な教育訓練機関がない
- 人材育成の方法がわからない
- 技術革新や業務変更が頻繁なため、人材育成が無駄になる
<厚生労働省による令和2年度「能力開発基本調査」より>
いかがでしょうか。同様の課題を感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自社が抱える課題を把握することは、人材育成の第一歩です。
上記のような大きな課題を深堀し、現場レベルでどのような課題があるのかを特定することで、その課題を解決するための適切な施策の検討に進むことができます。
人材育成を成功させるためのポイント
それでは、人材育成を成功へと導くためのポイントについて考えてみましょう。
1. 人材育成の目的を明確にする
何のために人材育成に取り組むのか、目的が定まらないままやみくもに進めても効果は期待できません。 そればかりか、無駄にコストがかかってしまうことも考えられます。 効果的かつ効率的な人材育成にするためには、まず目的を明確にすることが必要です。
そのためにはまず、自社内ではどのような課題を抱えていて、その原因はどんなものなのか深堀して考えてみます。ロジックツリー等を用いて原因を挙げていくのもおすすめです。 例えば、「指導する人材が不足している」という課題について考えてみましょう。下記のように、その原因として考えられるものを芋づる式に書き出していきます。
2.取り組むテーマと取組後の状態目標を決定する
こうして一つひとつ出てきた原因について考えることを繰り返していくと、講じるべき対策のヒントとなるキーワードがいくつか浮かび上がってきます。
例えば、上記の赤枠で囲われた原因であれば、
部下指導を行う社員が、「なぜ部下指導を行うのか」を理解し、「適切に実行するスキルを身に付ける」ことができるようになる機会を提供する必要があります。
このテーマをどのような対象者に対して実施し、どこまでのレベルを求めるか(→実施後の状態目標)を踏まえ、OJT研修やマネジメント研修、社内講師として育成する研修などを段階的に受講させるという対策が浮かびます。
上記はあくまで一例ですが、このような流れで自社の課題についてなるべく具体的に考えてみると、解決すべき課題が特定できます。
課題が明確になれば、その課題を解決することが「人材育成の目的」となります。
ここまでの課題の明確化とテーマの決定が非常に重要です。
3.人材育成手法の決定
解決すべき課題が明確になったら、今後は解決の方法を検討します。 具体的には、どんな手段で必要なスキルを身に着けさせるかを決めていきます。
それではここで、代表的な育成手法をご紹介します。
概要 | メリット | デメリット | |
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集合研修 | 社員を一堂に会し、社内・社外の講師を招いて行う講義形式の研修のこと。代表的な例として、新入社員研修や管理職研修、中途入社の社員を対象にした研修などがあります。 |
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OJT | OJTとは、「On the Job Training」の略で、上司や先輩から指導を受けながら、現場で経験を積んで学んでいく方法です。 |
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通信教育 | テキストを使用して個人で学習を進めていく方法のこと。課題やテストを提出すると添削が返ってくるもので、これを繰り返しながら理解を深めていきます。 |
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公開講座 | いわゆる一般的なセミナー形式の研修。基本的には誰でも参加できる形態であるため、様々な業種の参加者が集まります。 |
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eラーニング | インターネットを利用した学習形態のことです。主にPCやタブレット、スマートフォン等の端末を用いて学習を進めます。 |
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eラーニングは、コストを抑えつつ学習効果を高めることができる育成手法として、多くの企業で採用されています。
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