2022-08-05

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リスキリングとは? 導入のメリットとポイントを解説

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昨今、注目を浴びている「リスキリング」。
最近よく耳にするという方も多いのではないでしょうか。

「リスキリング(Reskilling)」は、職業能力の再開発や再教育を意味する言葉です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)時代の到来により、大きく変化するビジネスモデルに対応するための知識やスキルの再習得という意味で使われることが増えてきています。

そこで本日は、リスキリングを推進するメリットやポイントについて解説します。

リスキリングとは

 

リスキリングは、業務上必要な新しい知識やスキルを学ぶことをいいます。
特に近年は、デジタル技術の急速な発展によって注目を集めており、経済産業省は「デジタル時代の人材政策に関する検討会」において、リスキリングの定義を以下のように示しています。

 

新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること

リスキリングとは -DX時代の人材戦略と世界の潮流-

 

リスキリングは、企業が今後も成長し続けるために必要な手段の一つであると言えます。

リスキリングが注目される理由

 

それでは、リスキリングがここまで注目されるようになった理由について確認しておきましょう。

 

DX推進のための人材不足

 

リスキリングは、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と並行して語られることが多いです。
それは、企業のDXを推進したくても、そのための人材が足りないことにより進まないという課題があるからです。

 

独立行政法人 中小企業基盤整備機構が2022年5月に実施した『中小企業のDX推進に関する調査』によると、DX推進にあたっての課題として最も回答が多かったのは「DXに関わる人材が足りない」で、次いで多かったのも「IT に関わる人材が足りない」でした。
この結果から見ても、DX推進における人材不足の影響が大きいことが窺えます。

 

こうした課題を抱えているのは、中小企業に限りません。
大企業をはじめとした多くの企業が、DX推進に必要な専門スキルを持った人材の採用だけでなく、自社内で育成していくための「リスキリング」に取り組むようになってきたのです。

 

技術革新による失業への対応

 

現在、世界で起きているデジタル技術等による革新的な変化は「第四次産業革命」と呼ばれています。
2020年1月に開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)では、第四次産業革命により急速に進む労働の自動化の結果、5年後までに8,500万人が仕事を失うと予測されています。

 

ただ、自動化によって失われる仕事がある一方、テクノロジー業界をはじめとして、9,700万人分の新たな仕事が創出されるとも言われています。
こうした人材を育成・確保するために「リスキリング革命」が発表され、「2030年までに全世界で10億人をリスキリングする」ことが宣言されました。

 

このように、世界的にもリスキリングの必要性が叫ばれているのです。

 

≫参考: 「仕事の未来レポート2020」:景気後退と自動化技術が仕事の未来を変える一方で、新たな仕事の需要も

 

リスキリングとリカレント教育の違い

 

リスキリングと似ている手法として、「リカレント教育」というものがあります。
ここでは、リスキリングとリカレント教育の違いについてご紹介します。

 

リカレント教育とは

 

「リカレント(recurrent)」には「繰り返し」や「循環」といった意味があり、リカレント教育は、社会人になってからも学校等の教育機関に戻って学び、また社会に戻ることを生涯繰り返す教育のシステムのことを指します。

 

総務省の「平成30年版 情報通信白書」では、「就職してからも、生涯にわたって教育と他の諸活動(労働、余暇など)を交互に行なうといった概念である」とされています。

 

リカレント教育との違い

 

社会人になってからも学び、新たな知識を得るという意味ではリカレント教育と共通していますが、リスキリングとの大きな違いは「仕事を離れて教育機関で学び直す」という点です。
休職等で仕事から離れることを前提としているリカレント教育に対し、リスキリングは「業務と並行して学ぶ」ことが大半です。

 

リスキリングに取り組む3つのメリット

 

ここまでリスキリングの概要について確認してきましたが、ここからはリスキリングに取り組むメリットについて整理していきましょう。主なものを3つご紹介します。

 

1. 採用コストの削減

 

DX推進のために新たな人材を採用する場合、採用や育成には多大なコストがかかります。労働人口の減少により人手が不足している状況では、採用すること自体にも労力がかかるでしょう。

 

一方、既存の従業員をリスキリングして新たな技術を身に着けさせれば、新たに人材を採用する必要がなくなるので、採用にかかるコストを大幅に削減することが期待できます。

 

2. 業務の生産性向上

 

リスキリングによって、これまで手動で行っていた業務を上手く自動化することができれば、ルーティン業務をはじめとした数々の負担を軽減できます。
その結果、本来の業務により専念できるほか、新たな業務に挑戦する時間的余裕も生まれるでしょう。

 

また、新たな知識を得ることにより、今までは思いつかなかったような新しいアイディアが生まれるといった効果も期待できます。
負担軽減だけでなく、イノベーションの創出にも繋がるのは大きなメリットと言えます。

 

3. 離職率の低下

 

リスキリングによって学びの機会を提供することは、従業員のモチベーション向上や離職防止にも効果があります。

 

独立行政法人 労働政策研究・研修機構の2019年調査『若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ(第2回若年者の能力開発と職場への定着に関する調査)』では、新卒3年以内に離職した人の離職理由として、上位10位以内に 「キャリアアップするため」という回答がありました。全体の2割近い人数がキャリアアップのために離職していることになります。

 

上記調査の対象者は、今後デジタル人材としての活躍が期待されるデジタルネイティブ世代です。
この世代の人材定着化には、キャリアアップできる学びの機会を用意する必要があることが調査結果から読み取れます。
このことから、離職を防止して貴重なデジタル人材を確保することも、リスキリングを実施するメリットであると言えます。

 

リスキリングを進めるための3つのステップ

 

それでは、実際にリスキリングに取り組むための3つのステップを確認していきましょう。

 

STEP 1 リスキリングの目的、習得するスキルの確認

 

まず第一に、「なぜリスキリングをするのか」「誰を対象者とするのか」を決定します。
そのためには、自社が抱える課題を把握する必要があります。そこから課題解決のためにはどのようなスキルが必要になるのかを洗い出していきます。
ここで明確にゴールを設定することで、対象者の納得感や周囲の理解も得やすくなります。

 

また同時に、現状とのギャップも把握しておく必要があります。
現状足りていない要素が明確になることで、プログラム作成や研修計画にスムーズに移行できます。

 

STEP 2 教育プログラムの決定

 

リスキリングの手法には、座学研修やオンライン講座、eラーニングなど様々な種類があります。
習得するスキルに合わせて必要なコンテンツを用意していきますが、自社に合ったコンテンツの選び方が分からないときは、外部の専門家に相談するのも有効です。

 

また、リスキリングの実施は業務と並行して行うため、継続して学習できるよう進捗管理が重要となります。
理解度や学習の進捗を従業員自身が把握できる学習管理システムを活用するのも一つの方法として挙げられます。

 

STEP 3 習得したスキルの実践

 

リスキリングのゴールは、講座を修了することではありません。
あくまでも業務に活かすことが目的なので、学習後の「現場実践」が非常に重要です。
実際に業務で習得したスキルを活かすことで、定着化も期待できます。

 

実践後は振り返りやフィードバックの機会を設け、課題があれば改善していくことも重要です。
フィードバックは従業員のモチベーション維持にも役立ちます。これを繰り返して継続的に改善を図っていくことで、リスキリングの効果も高まっていくでしょう。

 

まとめ

 

今回は「リスキリング」について取り上げましたが、いかがでしたでしょうか。

 

リスキリングの必要性はわかっていても、中小企業においては時間や予算、人員の都合でなかなか着手できないといったケースもあるかと思います。
実施にあたっては様々な手法がありますが、こうした事情を抱える企業様には、業務と並行して学習を進められるeラーニング受講がおすすめです。

 

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